【落款】「十干十二支」について【2033年までの書き方付き】

書道・文字

当記事では書作品の名前(落款)の部分に添え書きされることもある「十干十二支」についてまとめてあります。

スポンサーリンク

十干とは?

十干(じっかん)は古代中国の暦で10日分を表したものです。
この10日を一旬(いちじゅん)と呼び、上旬・中旬・下旬の3つの旬で1か月となるよう使われていました。

甲 コウ きのえ (木の兄)
乙 オツ きのと (木の弟)
丙 ヘイ ひのえ (火の兄)
丁 テイ ひのと (火の弟)
戊 ボ  つちのえ(土の兄)
己 キ  つちのと(土の弟)
庚 コウ かのえ (金の兄)
辛 シン かのと (金の弟)
壬 ジン みずのえ(水の兄)
癸 キ  みずのと(水の弟)

木→火→土→金→水と巡ります。(五行説
それに陰陽説(いんようせつ)を組み合わせて陰陽五行説を作り、それを十干として使いました。
日本では陰陽説の「陽と陰」を「兄と弟」に当てはめたようです。
上から順に甲は陽、乙は陰、丙は陽…と交互に陰陽が続きます。

五行説は全ての物は5つの要素からなるという考えで、陰陽説は全ての物は陰と陽に分けられるという考えです。

なぜ「干支」で「えと」と読む?

日本語読みの「きのえ」「きのと」など「〇〇のえ」 →「〇〇のと」と繰り返します。
語尾の「え」は兄、「と」は弟を意味します。

「兄弟」=「えと」となり、そこから十干を「えと」と呼ぶようになりました。

十干とお馴染み十二支を組み合わせたのが「十干十二支」です。
この「十干十二支」を略して「干支」。
そのまま読むと「かんし」ですが、十干(えと)が生活で使われていないので、代わりに干支に「えと」の読みがあてられるようになりました。

十干十二支一覧(2022~2033)

2022 壬寅 ジンイン  みずのえとら
2023 癸卯 キボウ   みずのとう
2024 甲辰 コウシン  きのえたつ
2025 乙巳 オツシ   きのとみ
2026 丙午 ヘイゴ   ひのえうま
2027 丁未 テイビ   ひのとひつじ
2028 戊申 ボシン   つちのえさる
2029 己酉 キユウ   つちのととり
2030 庚戌 コウジュツ かのえいぬ
2031 辛亥 シンガイ  かのとい
2032 壬子 ジンシ   みずのえね
2033 癸丑 キチュウ  みずのとうし

2023年の9月に作品を書いた場合「癸卯季秋〇〇書」と記すこともできます。
季秋は9月の別称、〇〇に名前・雅号を入れます。
これは一例ですが、漢詩の作品に少し長めの落款を入れると、厳かな雰囲気が醸し出されると思います。

ご覧いただきありがとうございました!
十干十二支は「甲子」から始まって、60年で1周し、61年目にはまた「甲子」に戻ります。
なので暦が還る→「還暦」が60年ですね。
落款に関する記事で、雅号についてもまとめました。よければ下記よりご覧ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました