今回は漢字かな交じりの書についてまとめました!聞き慣れない言葉かもしれないですね。
当記事では漢字かな交じりの書とは何なのか、書き方例、前回と次回のVRChatイベントについて記してあります。
漢字かな交じりの書の呼称は調和体、詩文書、「の書」を省いて漢字かな交じりなど様々あります。
漢字かな交じりの書とは?
定義と背景
読んで字のごとく、漢字とひらがな、時にはカタカナが混在した書のことです。
場合によってはアルファベットなど、その他の文字が含まれていることもあります。(漢字や仮名以外がメインになってくると漢字かな交じりではなくなりそうです。)
明治時代に変体仮名が教育上廃止、ひらがな50音が制定されたり、言文一致運動(話し言葉に近い口語体で文章を書くこと)があったりと、文字や言葉に於いて新しい動きがありました。
昭和3年頃、金子鷗亭(おうてい)という書家が、明治以降の文字文化に生きる人々でも「親しみやすい書」を提唱して広めたことが、漢字かな交じりの書の始まりとされています。
これを近代詩文書運動と言います。
特徴
現代の日本人でも読めることが特徴です。とはいえ、書学習をしてない人からしたら読めないケースも出てくるかとは思いますが、それでも他の書よりは断然読みやすいでしょう。
例えば、楷書や行書で書かれた作品は字自体は読めても、内容が漢文のため多くの人は読めないでしょう。草書や篆書に至っては、文字自体が何の字かわからないことも多いかと思われます。
それに対して漢字かな交じりの書の漢字の多くは行書で、時折他の書体も使われる程度なので字自体が読みやすいです。更に、題材は詩や短歌、名言など日本人フレンドリーなものです。
明治以前にも漢字かな交じり文は存在していましたが、変体仮名や連綿を多用したいわゆる「かな」に近いものであったため、現代人には読みづらいかと思います。
連綿については以下の記事で詳しく紹介しています。
読めるかどうかということは、書においては実はあまり重要ではないと思っています。あくまで1つの要素です。
漢字かな交じりの書の書き方のポイント
漢字かな交じりの書には次のような要素が挙げられます。
題材・用具選び
ここが出来上がるものを大きく左右します。
違う題材を選べば、その字面や文字量によって構成などが変わります。
用具が違えば体の動きも変わります。
構成
文字群をどう分けるか、分けないか。どこに余白を作るか。
今回は縦に長い紙の下部に字を、上部に絵を入れました。
絵を入れるということは割と漢字かな交じりの書でもレアケースですが、次回のイベントが絵に関連しているので描き入れました。
「書画同源」と言って「書と絵は根本的に同じ」という意味の言葉もある程、2つは親和性の高い芸術と言えるでしょう。
本文
変化(字形、大小、疎密、字幅、字間、太さ、運筆のリズム、潤滑、墨色など)、見せ場と抑えるところ、余白など挙げるとまだあるのですが、とにかく様々な変化というのが書作品の1つのポイントです。逆に、変化がないことにも効果があります。
・潤滑
・墨色
こちらの2点については、VR上では基本的に墨量が一定に保たれていますので、今回特に変化は出ていないと思います。ただし、Efude(書道システム)の機能で意図的に調整を行ってから書くことで、作り出すことは技術的に可能です。
落款(らっかん)・印
通常、誰かの句を拝借して書く時は「〇〇の句+自分の名前+(かく)」のようなことを最後に入れます。この部分のことを落款と言います。今回のように余白があまり広くないときは印だけにして調和させても良いでしょう。
ちょっとコラム「作品」
色々挙げてみましたが、上記のことは一例で、これが出来ていないとダメというものではありません。作品を書いていると自然と思ってもみなかったような結末を迎えていたりするものです。ここがミソなんです。
計画を立てて、設計図通りに作って、そうじゃないとダメなんてことはないのです。
但し、書には書の型というものがあるので、そこから逸脱しすぎると書としての品が損なわれかねないので、ある程度はポイントを知っておくと良いでしょう。
前回のイベントの様子
5月11日に行われたVRC書道教室はこんな感じでした!
「走り茶」は新茶の中の新茶といった旬のものです。鯉のぼりも旬!
ただ、書写的なので一般的に言われる漢字かな交じりのイメージとは違うかなといった感じです。
皆さんお越しいただきありがとうございました。
次回VRChatイベントのお知らせ
次回のVRC書道教室は賽ノ目ヤブ子さんが主催の「描き友集会」とコラボをします。
書と絵が合わさった作品を作ってみましょう!
6月9日(木)21:00~で30分間のイベントです。Quest対応です。
当日Joinで参加できます。是非お越しください。
「描き友集会」は毎週火曜と木曜に開かれているVRchatのイベントです。皆で集まって30分間絵を描くイベントで、こちらでもEfude(書道システム)が採用されているので同じ感覚で描けますよ!
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