楷書で書いちゃダメ?名前・落款の基本的な書き方【書道Tips】

how to write your name for shodo書道・文字

このページでは書道の初心者向けに落款の書き方をまとめています。
今回は印のことは省いて筆での書き方のみをつづりましたが、印まで入れるのが正式とされています。

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落款とは?

落款(らっかん)とは作品に書く名前や印のことです。

ちなみにこれは落成款識(らくせいかんし)の略です。
落成は完成、款は白い字の印、識は赤い字の印を意味します。

もともと字は、手紙や、石碑の文、占いなどで使われても、鑑賞作品として書かれることはありませんでした。
しかし、書が芸術として見られるようになったことで、落款を作品に入れるようになったのです。

落款の文化は、中国では唐の時代から始まり、明の時代には定着、日本では室町時代に始まり、江戸時代には定着しました。
それまでは本文だけなのがスタンダードでした。
現代でも、わざと本文だけにすることもありますが、基本は落款を入れます。

1. 基本的には下の名前or雅号を使う

書作品としてまとめるとき、苗字を書くことはあまりないです。
学校や書道教室で提出するときは事務的な観点でフルネームを入れたりしますが、1つの作品としてまとめる時は下の名前 or 雅号を入れるようにしましょう。
雅号については以下の記事をご覧ください。

基本はしませんが、苗字を絶対に使わないわけではないです。
東郷平八郎が「東郷書」と落款に書いてあったりします。

2. 名前の後に「書」と付ける

トップ画像のように「〇〇書」とするのが基本です。
ただし付けなくてもOKです。
この「書」の1字には「〇〇の詩を私が”書”きました」という意味があります。
自分で考えた詩などを作品にしたときに書いても大丈夫です。(自分の詩のときは省くことも多くなります)

古典の作品を真似して書いたものの場合は「書」の代わりに「臨」と入れます。

かな作品では漢字ではなく「かく」と書きます。
そもそも、かな作品の場合は落款そのものを書かずに落款印だけにして、余白をすっきりとまとめる方が好まれることが多々あります。

3. 本文と同じか一段階崩した書体で書く

落款は本文と同じ、もしくは一段階崩した書体で入れるのが原則です。
書体の崩しレベルは下記のように表せます。

崩しレベル:低 篆書 ・ 隷書 ・ 楷書
崩しレベル:中 行書
崩しレベル:高 草書

つまり、本文が草書なら落款も草書で入れます。
本文が楷書なら落款は楷書か行書、行草書辺りがいいでしょう。
とはいうものの、実際は楷書の作品に楷書で落款を入れるよりも、より崩した書体で入れるほうが多いです。

本文落款
篆書・隷書・楷書本文と同じか行書~行草書
行書本文と同じか行草~草書
草書本文と同じ

タイトルの楷書で書いちゃダメ?に対する答えは「本文が楷書ならOK」となります。

ご覧いただきありがとうございました!
上級者向けの落款のまとめ方も書いているところです。また近々公開しますね。

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