前回お伝えした隷書の書き方に加えて、今回は更に4つのポイントをお伝えします!
隷書入門編その1の記事はこちら↓
知っておいてほしい知識│「八分隷」(はっぷんれい)って何?
隷書は聞いたことがある人でも、八分隷を知っている人はほぼいないんじゃないでしょうか。知っているあなたは書道通ですね!
八分隷というのは、隷書の種類です。隷書と言えば八分隷というくらい代表格です。
1. 字の形が横長になりがち
2. 波磔(はたく)と呼ばれるものが付いていること
上記が八分隷の特徴です。前回からお伝えしているのは、この八分隷の書き方です。
1番はわかりやすいと思うのですが、2番に聞きなれない言葉が入っていますね…。
波磔は隷書の大きなテーマなので、是非押さえておきましょう!
八分隷の名前の由来は「八」の字のように字が横に広がっているからです。
レアケースかもしれませんが、「八分体」や「八分」と呼ばれることもあります。
ポイント1│波磔(はたく)
隷書で特徴的なのは波磔です。
横画の最後や、右払いなどに画像のような装飾的な筆遣いがある場合があります。
波磔は太く書かれることが多いのも特徴的ですね。
他にも「記」や「机」、「流」の最終画も波磔になったりします。
また、楷書の右払いも波磔と呼ばれます。「波法」「波勢」と言われることもあります。
ちなみに「節」の「たけかんむり」の部分が「くさかんむり」の形をしてますね。
隷書や草書では「たけかんむり」が「くさかんむり」の形をしていることが多々あります。
他の部分も少しずつ楷書とは形が異なってますね。
一字一波のルール
注意しないといけないのが、波磔は1つの字に1つまでが基本です。
「本」や「表」、「基」などの長い横画と右払いの両方のある字は右払いが波磔となることが基本です。
「三」や「正」のように他に波磔になるところがなく、長い横画がある場合は、その画に波磔が付きます。
波磔を付ける優先順位は右払いがトップ!
隷書で「美」の字も、大抵右払いが波磔アリで書かれていますが、まれに横画に波磔がついて、右払いが小さく書かれることもあります。
ポイント2│転折の部分を2画で書く
隷書では転折と呼ばれる部分を2画で書きます。
他にも「日」の2画目や、「引」の1画目、「出」の2・4画目の部分などが挙げられます。
また、楷書では「心」の字に転折と呼ばれる部分はありませんが、隷書では下の画像のように2画で書かれることもあります。
ポイント3│ 終筆で押さえ直さない
隷書での終筆の基本は「引き抜く」です。楷書のように最後に押さえ直しません。
止めるのでも払うのでもなく、余韻を残しつつスッと軽く筆を引き上げます。
ポイント4│左へ動く時は払わず押し出す
赤丸のところをご覧ください。押さえ直して止めてるっぽいですよね。
さっきしないって言ったやんけ!って思いますよね!
左方向へ動くときは、グッと筆圧を掛けながら押し出します。その結果押さえ直して止めるような形になるのです。
おまけ豆知識「一字一波と楷書」
一字一波は楷書でも同じです。
これは以前まとめた「強調画」の話と通じるものがあります。
例えば、「返」は「反」の部分を止め、「泰」は最終画を止めます。
右払いは目立つ画なので、それが1字に2つあるとゴチャゴチャして見えてしまいますね。
他には「養」や「食」という字も、最後の画を止めます。
学校教育では、わかりやすいように「良」と同じ形として習ったのではないかと思いますが、書の世界では1つの字に右払いは1つが基本です。
隷書の「養」や「食」は、逆に最終画を波磔にしているものも多く見られます。
古い時代に書かれたものにその傾向が見られ、時代が進むと隷書でも最終画の方を止めているものが見られました。
まとめ&お知らせ
前回の記事と合わせて、隷書の基本的な書き方は以上です。
ちなみに紹介したことは絶対ではなく、書の世界にはたくさんの例外があるので、「これが隷書のすべてだ!」というわけではないです。
そして、次回のVRC書道教室は2月3日(木)の21時からです。1時間半程度を予定しております。
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前回参加していない人でも、前回のことを振り返りつつやりますのでご安心を~♪
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