今回は隷書の名作、曹全碑編です!
この記事では曹全碑の特徴、前回の教室風景、最後に次回のイベント予告を記しています。
曹全碑とは?
年 :185年
時代:後漢(25年 – 220年)
書体:隷書(八分隷)
隷書の代表的な古典の1つです。読み方は「そうぜんひ」です。
曹全という人の功績を称えて作られた碑です。現在は西安碑林博物館にあるそうです。
ちなみに碑林とは石碑を集めてある場所のことです。
実は山梨県西八代郡の大門碑林公園にも、曹全碑や礼器碑が再現された碑があります!
和紙で有名な地域なので、こういった公園が出来たんでしょうね~。
八分隷(はっぷんれい)や、この後に出てくる波磔(はたく)については下の記事でまとめています。よかったらご覧ください。
曹全碑を礼器碑と見比べてみよう!
まずは今回テーマ曹全碑と、前回紹介した礼器碑を見比べて、どういう印象を受けるか鑑賞してみましょう。
曹全碑の方がなんだかスッキリして見えるなとか、エレガントな感じとか、そういった各々の感性でOKです!
雰囲気の異なる礼器碑が隣にあることで、より印象が際立つのではないでしょうか?
個人的には「水」「気品」「優しさ」などの言葉が浮かびます。
礼器碑については以下の記事にまとめてあります。よかったらそちらもご覧ください。
曹全碑の特徴
1.平べったい字形
ご覧の通り、字の概形がかなり横長です。
縦の動きが短いことも、相対的に横長く見える要因の1つです。
横長くなることは隷書の基本的な特徴ですが、その中でも曹全碑は度合いが強いです。
そのため、結果的に字と字の間が広くなります。字間が広いことも隷書のまとめ方の特徴的な部分ですね。
2.滑らかな波磔
前回の礼器碑はキリっとした角ばった波磔でした。
それに対し、曹全碑の波磔は角張りが少なく、つるんと滑らかな波磔です。
3.丸みを帯びた点画
礼器碑は角張った点画でした。それに対して曹全碑の点画は丸みがあります。
また、「宗」の字の「うかんむり」の左右の画、「孫」の「糸」の上部、「遷」の1画目の横画など、少し外側に膨らむ曲線の動きが見られます。
3つの特徴を踏まえた上で曹全碑らしく書いたものと、礼器碑らしく書いたものを並べてみます。
それぞれ印象が異なって感じられるでしょうか。そこから「自分はこっちの方が好きだなあ」とか「部屋に飾るならこっちの方がいいな」とか、きのこたけのこ戦争みたいなことをするのも一興です。
2022年立春期VRC書道教室の様子
前回2月18日にVRchat上で行った書道教室の風景を紹介します!今回で7回目となります。
これは2月14日~2月18日頃を指す季節の言葉です。凍っていた川や湖の表面が割れ、そこから魚が飛び跳ねるという意味です。
細い線を基調に、尖った波磔で礼器碑の特徴を捉えてますね!
3チーム編成で行いました。大きなほうきの筆で書いてるチームもいますね!
巨大な紙に書くのは全体を把握するのが難しいのですが、丁寧に計画を立てて進められていました。
まるで自然の岩に字を彫る、礼器碑の時代の手法のようです。
今回もお集まりいただきありがとうございました!
次回VRC書道教室のお知らせ
次回のVRC書道教室は雨水(うすい)の節気である3月1日(火)に行います。21時から1時間半程度を予定しております。
お題は「草木萌動」(そうもく めばえいずる)で、今回紹介した曹全碑風に書いてもらいます。
VRchat上でBokkeiをフレンド登録の上、当日の21時以降Joinで参加できます。お待ちしています!
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